日産の中核セダンを担うマキシマとティアナ。
スポーティで相当かっこよく進化した現行マキシマのデザインは好評ですが、現在は海外専売車となっており、残念ながら日本発売はされていません。
そして、日本ではおもてなしをテーマにゆったりとした上級セダンとして売り出されているティアナですが、地域によってはアルティマ名でも販売されている、日産の世界戦略セダンです。
L33型となる3代目の現行ティアナは、北米では2015年にビッグマイナーチェンジを行い、続いて2016年7月には中国でも同じように大改良が行われたため、日本でも2016年内にマイナーチェンジをすると見られていました。
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しかしながら、2017年になった現在でも、日本でのビッグマイナーチェンジが実施する見通しが立っておらず、日本仕様の現行型はデザインを変えずにそのままでいくのではないかと予想する声も出ています。
ただ、現行ティアナは、中国よりも約10ヶ月遅れで発売していることを考えると、中国でビッグマイナーチェンジをした2016年7月の約10ヶ月後の2017年春に改良する可能性も否めません。
そんな中、早くも4代目となる次期ティアナのコンセプトデザインとして大いに参考になるコンセプトカーがデトロイトモーターショー2017で公開されていたことをご存じでしょうか?
それが「Nissan Vmotion 2.0 Concept」であり、これは、次期ティアナとマキシマのデザインに反映される見通しです。
次期ティアナのコンセプトデザイン!?「Nissan Vmotion 2.0 Concept」
2017年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、日産の次世代セダンのデザインコンセプトカーとして「Nissan Vmotion 2.0 Concept」が世界初公開されました。
- Nissan Vmotion 2.0 Concept
近年、日産車のフロントグリルには、Vモーショングリルというデザインが採用されています。
2.0という名称がついていることからも分かる通り、Vモーショングリルをさらに進化させたデザインになっていることが伺えます。
元々、このVモーションに関しては、ちょうど2年前のデトロイトモーターショー2014で公開された「スポーツセダンコンセプト」で初めて披露されました。
- スポーツセダンコンセプト
そして、スポーツセダンコンセプトのデザインが大いに活かされたのが2015年にフルモデルチェンジしたマキシマ(日本未発売)です。
- マキシマ
新型マキシマは、ほぼスポーツセダンコンセプト通りのデザインで発売されています。
そして同じく2015年に、ビッグマイナマイナーチェンジしたアルティマ(日本名ティアナ)でもこのデザインが大いに採用されることになりました。
- アルティマ
そして、2017年にデトロイトモーターショーという同じ舞台にて「スポーツセダン コンセプト」の後継と見ても不思議ではない「Nissan Vmotion 2.0 Concept」の発表。
それゆえ、次期ティアナ・マキシマにこのデザインが採用されていくのは明白です。
Nissan Vmotion 2.0 Conceptの画像をさらに詳しく
「Nissan Vmotion 2.0 Concept」のデザイン画像をさらに詳しく見ていきましょう。
レクサスのスピンドルグリル顔負けの迫力を演出する、新世代のVモーショングリル。両側に配置されているエアインテークとのバランスがこれまた絶妙。
キャラクターラインは、どこか「コンセプト 2020 ビジョン GT」を彷彿させられるスポーティなデザインに。
サイドミラーレスになっている点も注目で、今後、電子ミラーの導入を踏まえてのデザインということが考えられます。
これまでフロントの一部だったVモーショングリルがフロント全体に行き渡っているところがポイントであり、スポーツセダンコンセプト以上にダイナミックでエモーショナルなデザインになっています。
全体的に次世代あふれる高級感のあるデザインですが、もはや日産車というよりか、インフィニティの車といっても違和感ないですよね。
次期プレジデントと噂されるインフィニティの新フラグシップセダンとなるインフィニティQ80のコンセプトカーの「インフィニティQ80インスピレーション」と比べてみてもそれほど差はないように見えてしまいます。
- インフィニティQ80インスピレーション
- Nissan Vmotion 2.0 Concept
「スポーツセダンコンセプト」の時のように、今回のデザインが次期マキシマや次期ティアナにほぼそのまま適用されるとなると、今後の日産のセダンは相当、高級感のあるダイナミックなデザインになることが期待できます。
また、インパクトのあるサイドのキャラクターラインがどこまで実用化できるのかにも注目したい所です。
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内装デザインについて
そしてNissan Vmotion 2.0 Conceptの内装画像は次の通りとなります。
アウディもビックリなアウディバーチャルコクピットを上回る大型で横長の水平型スクリーンには、自動運転機能「プロパイロット」を使用する時に作動するグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を搭載しています。
ダッシュボードには、「グライディングウィング」デザインを採用。
後部座席にも小型スクリーンを設置しています。
ちなみに、ドライバーの周囲360度の音の方向性や距離を自在にコントロールすることを可能とした新開発で革命的なBoseスピーカー「UltraNearfiel」を採用することで、ドライバーの安全で快適なサポートがされるという仕組みにもなっているようです。
まさにこのプレミアムな内装は、外観同様、日産ではなくインフィニティの車では?と思う豪華なデザインです。
「まあ、あくまでコンセプトカーだから、そんなもんだろう」と思われるかもしれませんが、実は、先ほどの「スポーツセダンコンセプト」の内装デザインは、かなり再現度が高く現行マキシマに採用されているのです。
<スポーツセダンコンセプトの内装>
<マキシマの内装>
ほぼ、コンセプト通りだと思いませんか?
このケースを踏まえると、Nissan Vmotion 2.0 Conceptの内装デザインが、次期マキシマもしくは、次期ティアナに採用される可能性は十分考えられます。
もちろん、「Nissan Vmotion 2.0 Concept」は、「スポーツセダンコンセプト」とは異なって、あくまで今後の日産のデザインテイストを示しただけの試験的なコンセプトカーという可能性も否めません。
ただ、いずれにせよ、このデザインの部分の多くが今後の日産車に採用されていくことは間違いないと思われるため、相当期待せずにはいられませんよね。
2018年頃にフルモデルチェンジする次期ティアナが最有力か
では、このNissan Vmotion 2.0 Conceptはどの車に初採用されるのかということですが、スポーツセダンコンセプトがほぼマキシマに採用されたことや、車格的に考えてもマキシマに採用されるというのが自然に思えます。
ただ、マキシマは2015年にフルモデルチェンジしたばかりであり、次期モデルはまだまだ先になると思われます。タイミング的にはビッグマイナーチェンジの時期に差しかかりますが、マイナーチェンジレベルで「Nissan Vmotion 2.0 Concept」を果たして再現できるのかどうか。
それよりも、ティアナの北米モデルであるアルティマの次期モデルのほうが可能性が高いと私は見ています。
現行アルティマは2012年にデビューしており、2018年には発売から6年が経過することになります。先代アルティマが6年でフルモデルチェンジをしたことを踏まえると、2012年から6年後の2018年にアルティマがフルモデルチェンジする可能性は十分高いのではないでしょうか。
それにアルティマのライバルであるカムリ、アコードは一足早く2017年にフルモデルチェンジを実施しています。
- トヨタ 新型カムリ
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そして、スバルのレガシィは、同じく2017年にビッグマイナーチェンジを行います。
- スバル 新型レガシィ
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これら大幅にリフレッシュするライバル勢に立ち向かうためにも、また、デビューから6年経つというタイミングを考えても、アルティマ(ティアナ)が2018年にフルモデルチェンジすると考えても不思議ではありません。
そうなれば、「Nissan Vmotion 2.0 Concept」のデザインは、次期アルティマ(ティアナ)に採用となるのではないでしょうか。
また、2018年には、車線変更や危険回避を自動的に行う複数レーンでの自動運転技術「プロパイロット2.0」が投入される時期でもあるので、次期アルティマには、それを採用して、先進的なデザイン・安全快適装備を採用した次世代セダンとして華々しくデビューするかもしれません。
新型カムリに対抗するには、それくらいのことが必要です。
日本でも新型カムリが海外と同じく2017年に発売し、マークXやSAIの後継的存在となることを考えると、打倒カムリを目指して2018年に次期ティアナがデビューということもありえるのではと個人的には期待してしまいます。
現行ティアナは北米のアルティマよりも、1年2か月も発売が遅れているという異例の状態になっているので、そのタイムラグを埋めるためにも、日本仕様の現行ティアナは、案外4年という早いサイクルで幕を閉じるかもしれませんね。
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いずれ、日本でインフィニティブランドの本格導入がされて、フーガやスカイラインが完全にインフィニティへ移行したとき、日産ブランドの車はシーマを除くとドライバーズカーとしては、ティアナが最上級車になります。
それを考えると、次期ティアナが「Nissan Vmotion 2.0 Concept」のような、より高級感のあるセダンに進化していくのは必然ではないでしょうか。
もちろん、トヨタのクラウン車格になるであろう今のマキシマを日本で導入なんてことも考えられます。
ただ、現行マキシマのボディサイズ
- 全長 4,897mm
- 全幅 1,859mm
- 全高 1,435mm
という大きさを考えると、ダウンサイズしない限り日本で販売するのは難しいでしょうね。
なんだかんだ言っても、ティアナは、早い時期にエマージェンシーブレーキを搭載するなど、日本の日産のセダンの中では優遇されている車種でもあります。
次期ティアナが、「Nissan Vmotion 2.0 Concept」を実用化し、今後の日産を代表するセダンへと進化するのかどうか期待したいですね。
次期ティアナとマキシマの最新情報が入れば、追ってお伝えしますね。