トヨタのマークXは、2016年にビッグマイナーチェンジが実施されて現行モデルの延命化が施された。
そんなマークXの次期モデルの動向に関して雲行きが怪しく、今後フルモデルチェンジは行われずに、販売終了が有力となっているのです。
そこで、今回は、これまでの次期マークXのフルモデルチェンジに関する情報を含めていろいろと書いてみました。
次期マークXのフルモデルチェンジに関する情報!
まずマークXのフルモデルチェンジに関しては、これまで初代、現行型の2代目共にクラウンアスリート・ロイヤルのフルモデルチェンジの1年程度後に実施されています。
その流れから見て、S210系となる14代目クラウンが登場した2012年の翌年である2013年に3代目の新型マークXが出るのではと見られていました。
けれども、2013年にマークXは、モデルチェンジされることはありませんでした。
ただ、2012年8月27日にマークXがビッグマイナーチェンジを実施しているので「さすがにビッグマイナーチェンジの翌年にフルモデルチェンジはないだろ」という見方も強く、実際には、ビッグマイナーチェンジの2年ほど先の2014年くらいになるのではというのが大方な見方だったように思えます。
しかしながら、2014年どころか2015年になっても新型が出る見通しが立たず、以前にようやく出てきたのが2017年~2018年のモデルチェンジ説です(補足:実際には2017年にはマイナーチェンジが行われています)。
かつて出ていたマークXの2017年~2018年モデルチェンジ説の内容
これまで出てきた2017年~2018年にフルモデルチェンジされるとされた新型マークXの情報は以下の通りです。
その1 FF化説
現在のV6エンジンを廃止して、1.4ℓのダウンサイジングターボエンジンもしくは1.5ℓの直噴直列4気筒ダウンサイジングターボエンジンを搭載し、ボディもダウンサイズ化させるといった内容。
マークX、アベンシス、SAIを統合した車種となり、デトロイトモーターショー2012で公開されたNS4がコンセプトと言われていました。
<NS4>
そしてFRではなく、FF化させるというのがこの説のポイントです。
その2 FR継続説
FF化説とは別に出てきたのが、結局は現行のFRを継続するという話です。
2013年3月に新世代プラットフォームのTNGA構想が発表されたことや、86をベースとしたFRセダンとなる「86セダン」の計画が白紙になったことが後押しとなり、FR継続の次期マークXが計画されることになったと言われていました。
また、一部のメディアでは、BMWと提携するのではという情報も出ていました。
カムリと姉妹車種になる説
これは最近まで出ていた説ですが、2017年にフルモデルチェンジされる新型カムリハイブリッドと兄弟車種になるという説でした。
TNGAのKプラットフォームといった共通プラットフォーム等多くの部分を共用化することでコスト削減につなげられるというメリットがあり、新型マークXはFF化されて、実質カムリハイブリッドのスポーツグレードになるという内容です。
そんな新型カムリの最新情報はこちら。
▷カムリのフルモデルチェンジの内容を徹底解説
とにかく情報は錯綜状態
これまで、主に上の3つの説が出ていたわけですが、他にもハイブリッドモデルが追加されるとか、プレミアムミドルサルーンとして発売して欧州車のミドルサルーンに対抗する等々、次期マークXの情報に関しては錯綜している状況です。
そして新たに出てきた衝撃の内容としては、なんと2019年10月頃に生産終了という話です。
マークXが2019年12月にフルモデルチェンジすることなく生産終了
現行モデルが2016年11月にビッグマイナーチェンジされたことから、後数年は現役を続けることが見込まれていました。
▷マークXのマイナーチェンジ情報!2019年GRMN発売後に生産終了の可能性
しかしながら、2019年12月に生産終了することが決定しました。
その後はフルモデルチェンジすることなく販売終了となる見通しです。
確かにこのクラスの国産セダンは厳しい状況
マークXに限らず、トヨタのライバルメーカーの日産で、マークXのライバルに当たるティアナに関しても、海外ではすでにビッグマイナーチェンジを済ませているのに、日本だけ改良されていない状況が続いています。
他のマークXのライバルとなる国産車を見ても、スバルのレガシィ、マツダのアテンザ(北米ではMazda6)とともに北米市場がメインターゲットとなっており、それゆえ、ボディサイズがかなり大型化されて日本の交通事情ではやや厳しいサイズとなっています。
つまり、マークX以外は、ほぼ北米などの海外がメインターゲットとして開発されている状況であり、セダン不況の日本での需要を考えると日本での展開がかなり難しい状況なのです。
じゃあ、マークXを北米向けに作ればいいじゃん!と思っても、すでにほぼ同車格となるカムリが北米で大ヒットをしているので、今更マークXが北米で入り込む余地はありません。
ただ、私らからすると、「日本をメインターゲットに開発されていて、かつ、FRでV6エンジンが搭載されているモデルが200万円代から購入可能なマークX」というのは、本当にありがたい存在でもあります。
マークⅡからの根強いユーザー層と、トヨタという巨大企業だからこそ、これまで実質日本専用車と言ってもいいマークXを出すことができたと思いますが、これからの時代を考えると、「このままマークXシリーズを出すのは得策ではないのでは?」という意見が出てきても不思議ではありません。
2019年にトヨタのセダンはある程度整理される可能性が高い
- クラウン
- SAI
- カムリハイブリッド
- マークX
- アリオン、プレミオ
- カローラアクシオ
(※プリウスもトヨタはセダンに位置づけているがここでは割愛)
といったセダンだけでもかなり充実したラインナップを維持できているのはトヨタならではのことだと思います。
国内の他メーカーでここまでセダンのラインナップを充実した所はありません。
ただ、アリオン・プレミオに関しては次期カローラに統合されると見られていますし、SAIに関してもモデルチェンジの見通しがなく、カムリと実質統合状態となっています。
そうなると2019年以降にトヨタのセダンを上・中・下の車格で分けると、上がクラウン、中がカムリ、下がカローラということになりそうです。
もし、マークXが生産終了し、後継車種のミドルサルーンが登場するならば、中車格のカムリと競合することになりますが、今のように「日本重視でユーザーにとってコスパの高いセダン」という立場で登場するのかどうかが焦点になります。
▷新型SAIへのモデルチェンジはない!?小さな高級セダンの行方
自動運転時代を見据えた展開を
今後、自動運転が実用化するほどセダンの需要はますます冷え込むように私は思います。
これからますます自動運転技術が発達し、近い将来、一般道路でもある程度自動走行可能な車が市販化されることになります。
自動運転技術が発達すれば、「運転よりも乗用に関する快適性」が大事になってくるのは間違いありません。
そうなると、乗員可能な数も多く、ゆとりのあるスペースが取れるミニバンは一番有利な存在になるでしょう。
価格的に手に入りやすく、車内スペースが広い車種の多い軽自動車や、世界的にブームとなっているSUVに関しても、これからもしばらくは高い需要を得ることになるはずです。
しかし、セダンに関しては、走行安定性が高いというメリットは、これからの自動運転時代には大したメリットにならず、
・自動走行よりも自分で運転することが好きな、走り好きなユーザー向けにアピールする
もしくは、
・デザインやプレミアム性
といった所で勝負をせざるを得なくなると私は思っています。
そういう時代が来ることを見越して、マークXの後継車種が登場するのであれば、是非、自動運転時代が到来しても生き残れるセダンとして末永くユーザーに求められる車になってほしいなと思います。
新型マークXのフルモデルチェンジ、もしくは、後継車種の最新情報が入れば、またお伝えします。
▷クラウンのフルモデルチェンジ情報!2018年デビューが有力