スバルはデトロイトモーターショー2017にて北米仕様のWRXの2018年モデルを公開しました。
2017年で発売4年目でD型となるWRXは、事前の予測通りデザインの改良や機能性の充実が図られたビッグマイナーチェンジが行われています。
WRX S4/WRX STIの名称で発売されている日本仕様も、数か月後には同様の大きな改良が行われる見通しです。
今回発表されたWRX2018年モデル(北米仕様)は、2017年に日本で発売されるレヴォーグとWRX S4のD型の大きなヒントとなるので、その点について今回記事にしてみました。
スバル WRX2018年モデル(北米仕様)の詳細情報
デトロイトモーターショー2017にて、発表された北米仕様の2018年モデルの新型WRXのデザイン画像は以下のとおりとなります。
<WRX STI 2018>
<WRX 2018年モデル>
デザインで大きく変わった部分としては、フロントのバンパー部分です。
バンパー部分を大型化&ブラックアウト化することで、マイナーチェンジ前よりもダイナミックでアグレッシブなイメージへと変貌。
アルミホイールについては、WRXに18インチ、WRX STIに19インチの新開発アルミホイールが採用されています。
参考にもマイナーチェンジ前のモデルとの画像比較をしてみました。
<マイナーチェンジ前のWRXSTI北米仕様>
<マイナーチェンジ後のWRX北米仕様>
バンパーのデザインを少し変えるだけで、スタイリッシュなイメージとなり、立体感が増していることが伺えます。
若干、新バンパーのデザインがトヨタのアンダープライオリティを彷彿させるため、今風のデザインになったとも言えそうです。
また、バンパー大型化に伴ってフロントグリルのサイズがコンパクトになっており、どこかレヴォーグSTI CONCEPTに似た形状になっているようにも見えます。
<レヴォーグSTI CONCEPT>
ちなみに、日本仕様のWRXをよくご存じの方は、北米仕様の新型WRXに日本仕様のWRXにはない「グリル内にブラックのバー」があることに気づかれた方もおられるかと思います。
ただ、先程のマイナーチェンジ前の画像からもお分かりの通り、北米仕様のWRXでは従来からそのバーが装備されており、新型インプレッサについても北米仕様の一部グレードにそのブラックバーが採用されていることから、ブラックバーは海外モデル特有のデザインになると思われます。
ただ、残念なのは、リアのデザインがほぼ変わっていないという所です。
<マイナーチェンジ前のリア>
<マイナーチェンジ後のリア>
個人的には、フロントだけでなくリアのデザインにも手を加えてほしかったですね。ビッグマイナーチェンジということで、世代間ギャップを埋める意味も含めて、てっきり新型インプレッサのような横長のテールランプに変更されると予想していただけに、これは少し意外でした。
<新型インプレッサセダン(北米仕様)のリア>
次に内装(インテリア)についてですが、これも大きなデザインの変更がありません。
<マイナーチェンジ前の内装>
<マイナーチェンジ後の内装>
目立つのは、マルチファンクションディスプレイが大型化したことや、一部にブラック調パーツを採用し質感向上が図られていることくらいでしょう。
ただ、マイナーチェンジ前のデザインには、ナビ画面からセンターコンソール間のサイドにメッキ加飾等がされていますが、新型のデザインではそのメッキ加飾がなくなっており、マイナーチェンジ後は落ち着いたデザインになっていることが伺えます。
スバルWRX2018年北米モデルで進化した内容
北米仕様のWRXとWRX STIの2018年モデルはデザインだけでなく、機能面等も大幅な改良が行われています。
その内容は、
- フロントドアガラスの板厚を増し、室内の振動と騒音対策の強化
- サスペンション設定の最適化による操縦安定性や乗り心地の向上
- フロントシートにレカロ社製電動パワーシート採用
- 電動パワーステアリングの制御を見直し、操舵フィーリングを向上(WRX)
- 電動パワステのモーターとECUを一体構造させて軽量化を実現
- イエローキャリパーの新型ブレンボ製ブレーキの採用(STI)
- 6段MTでシンクロ機構の見直し&シフトレバーのフリクションの低減によってシフトフィーリングの向上(WRX)
- ユーリッド製パッドを採用しブレーキ性能を強化(WRX)
- 電子制御マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)搭載(STI)
- ステアリング連動LEDヘッドランプの採用による夜間の視認性の向上
- オートビークルホールドを採用(WRX)
- アイサイトアシストモニター採用(WRX)
といったビッグマイナーチェンジにふさわしくかなり大きな改良となっています。
そして、米国仕様の2018年型WRX / WRX STIの主な仕様は以下の通りとなります。
WRX | |
ボディサイズ (全長×全幅×全高) | 4,595 x 1,795 x 1,475 mm |
ホイールベース | 2,650 mm |
エンジン | 2.0ℓ水平対向直噴ターボ FA20エンジン |
排気量 | 1,998cc |
トランスミッション | 6MT、リニアトロニック |
最高出力 | 268hp/5,600rpm |
最大トルク | 258lb.-ft./2,000-5,200rpm |
タイヤサイズ | 235/45 R17、245/40 R18 |
乗車定員 | 5名 |
WRX STI | |
ボディサイズ (全長×全幅×全高) | 4,595 x 1,795 x 1,475 mm |
ホイールベース | 2,650 mm |
エンジン | 2.5ℓ水平対向ターボ EJ25エンジン |
排気量 | 2,457cc |
トランスミッション | 6MT |
最高出力 | 305hp/6,000rpm |
最大トルク | 290lb.-ft./4,000rpm |
タイヤサイズ | 245/35 R19 |
乗車定員 | 5名 |
<2017年3月30日公式動画が公開>
2017年3月30日にスバルより2018年モデルのWRXの公式動画が公開されました。
その動画がこちらになります。
日本仕様のWRX S4・レヴォーグのD型の大きなヒントになる
日本仕様のWRX S4は北米仕様のWRXをベースとして開発されており、またS4の姉妹車種であるレヴォーグに関しても実質WRXのツーリングワゴンモデルになります。
そこで日本で2017年に発売されるレヴォーグとWRX S4のD型の内容に関しては、今回発表された北米仕様のWRX2018年モデルが大きなヒントとなるのは間違いありません。
デザインに関してはバンパーが大型化されるというところが大きなポイントとなりそうです。
北米仕様の2018モデル同様の室内の振動と騒音対策の強化やサスペンションの最適化等も行われるでしょうが、これがSGPを搭載した新型インプレッサの動的質感レベルにどこまで近づくことができるのか要注目な部分となります。
その他、日本仕様では新世代のアイサイトが搭載される可能性が高く、日本仕様では北米仕様と異なったさらに大きいレベルでの改良が行われる可能性もあります。
日本仕様では新型インプレッサとのギャップを埋められるのかがカギに
北米仕様のWRXの2018年モデルを見た限り、新型インプレッサとの世代間のギャップを埋めるに至っていないと思います。
特にインテリアのデザインは、飛躍的に質感向上した新型インプレッサのものと比べると、旧世代を強く感じてしまいます。
これが、日本仕様のレヴォーグとS4のD型では北米仕様以上に変化できるかどうかが焦点です。
レヴォーグとWRX S4のフルモデルチェンジは2019年と予想されますし、それまでの間、新型インプレッサよりも旧世代車のイメージを強く持たせるデザインでインプレッサの下克上を許したままで大丈夫なのかと。
まあ、万が一SGPを採用しないマイナーチェンジレベルで走りもデザインも新型インプレッサを凌駕してしまうと、「SGPなくても大丈夫じゃん!」と思われてしまうため、そうなればSGPを売りにする新型インプレッサの価値が下落してしまうので、改良のバランスは難しい所。
ただ、WRX S4に関してはフラグシップのレガシィ以上に高価な車であり、レヴォーグに関してはスバルの顔だったレガシィツーリングワゴンの後継となる主力車です。
インプレッサとはターゲット層が異なるとはいえ、やはりスバルの上級車としてマイナーチェンジのタイミングで旧世代車たるイメージの払拭は必須。
「SGPを採用しない旧来モデルでも、ビッグマイナーチェンジで新型インプレッサを上回るインパクトある進化を遂げ、旧世代最高傑作の車に仕上がることを見せつけてくれる」、今のスバルならば、そんな期待してもいいのではないでしょうか。
従来のビッグマイナーチェンジを上回る内容で新型インプレッサの下克上に待ったをかけるのか、それとも北米仕様同様の地道な進化のみで次のモデルチェンジまで耐え抜くのか。
日本仕様のレヴォーグ・WRX S4のD型発表までの後数か月。その期待は膨らむばかりですが、発表が楽しみですね!
そんな日本仕様のレヴォーグ・WRXの最新情報が入れば、追ってお伝えします。
【追記】
WRX S4は、2018年6月7日に年次改良したE型モデルを発売しました。
2018年9月21日には、最上級グレードとなる「WRX S4 STI Sport」がラインナップに加わっています。