N-BOXの歴史と魅力を解説!~時代を変えたNシリーズ誕生~ 派生車の情報もあり
軽自動車で人気ナンバーワンのホンダN-BOX。
2013年、2015年、2016年と軽四輪車新車販売台数でNo.1の実績を誇り、その人気は他を寄せ付けない程の存在へと成長しています。
そんなN-BOXは、どのようなルーツを持ち、どのようにして誕生したのか。
そもそもそこまで売れる魅了とは何なのか。
それらを含めたN-BOXの歴史と魅力を徹底的にお伝えします。
N-BOXのルーツ N360について
ホンダは、かつて「Nコロ」の愛称で親しまれたN360(1967年3月-1972年1月)という軽自動車を発売していた過去があります。
N360は、ホンダ初となる量産型乗用車であり、このN360こそがN-BOXのルーツとなる存在なのです。
【N360】
【出典:Wikipedia】
N360は、低価格にも関わらず高い性能が魅力で、瞬く間に大ヒット。
発売後3年間は、日本国内販売首位を獲得する程の売れ行きでした。
ちなみに、N360デビュー前の軽自動車界は、スバルの「スバル360」が首位の販売台数を占めていました。
それがN360の登場によって一気に勢力図が変わったのです。
つまり、スバル360からN360へと政権交代したようなものと言えます。
そのN360の話聞くと、今のN-BOXみたいな状況でデジャブみたいですよね。
ユーザーユニオン事件がホンダの運命を変えることに・・・
そこまで大人気のN360から、N-BOXが出るまで40年ほどホンダの軽自動車ってヒット作がなかったのには実は理由があります。
その原因となったのが1970年に起こったユーザーユニオン事件です。
<ユーザーユニオン事件とは?>
1960年代後半に欠陥車に関する報道が出始めた時代を背景に1970年5月に欠陥車被害者団体「日本自動車ユーザーユニオン」(以下、ユーザーユニオン)が誕生。
「ユーザーユニオン」は欠陥車による被害者から相談を受けつつ、欠陥車であることの立証をするために自動車テストをして、欠陥車を生産した自動車メーカーに対応を迫っていた。
また、ユーザーユニオンは1968年2月に自動車事故を起こしたホンダ・N360の運転手への有罪判決について「事故はN360の欠陥が原因であり、運転手に過失はない」とする再審請求をしたり、自動車死亡事故について遺族に自動車会社幹部らを「未必の故意」の殺人罪で刑事告訴させるなどしており、大企業に対して戦闘的な団体として世間に知られていた。
【wikipediaより】
この事件によって、N360の人気が大きく低迷し、1972年にその歴史に幕を閉じることとなりました。
そして、ホンダは、軽自動車からの一時撤退することになります。
この事件がなかったら、ホンダどころか、軽自動車界の歴史は大きく異なったものになったかもしれません。
N-BOX誕生~Nシリーズの快進撃が始まる~
一世を風靡したN360が販売終了してから約40年間。
ホンダの軽自動車は、冬の時代を過ごすことになります。
ちなみにライフという実質N360の後継車がありましたが、N360程の勢いを取り戻すことはできませんでした。
その反面、スズキのワゴンR、ダイハツのムーブ、タントといったライバルの新しい軽トールワゴンは、次々とヒット。
その軽トールワゴンというカテゴリも元々は、ホンダの「ライフ ステップバン」が元祖という何とも皮肉な話に。
しかしながら、軽トールワゴン(ハイトワゴン)という大人気市場がライバルで占めていく様子を、ホンダが黙って見守るわけがありません。
ついにホンダは2011年に、本格的に新世代の軽自動車導入へと動き出したのです。
それこそが、「HONDA Nシリーズ」と呼ばれる新たな軽自動車シリーズなのです。
このNシリーズのNは、かつて一世風靡したN360を由来しています。
それだけでなく、
- NEW
- NEXT
- NIPPON
- NORIMONO(乗り物)
という略称も意味も込められてNシリーズが誕生しました。
そのNシリーズ第一弾として発売されたのがN-BOXなのです。
初代N-BOX JF1/2型【2011年 – 2017年】
N-BOXは、新しいスーパーハイトワゴン車として東京モーターショー2011にてコンセプトカーを公開。
そして2011年12月16日に華々しくデビューを果たしました。
- 新設計のNシリーズ共通プラットフォーム採用
- ホンダ軽自動車初のセンタータンクレイアウト
- 新エンジンと新CVT によるミニマムエンジンルーム
等々、力の入った内容となっていますが、ポイントはミニマムエンジンルーム。
それを室内長として活用した最新技術になります。
これによって、室内空間は圧倒的にゆとりのある広さを確保。
また、荷物の積みやすさに貢献する低床設計されたフロアも注目ポイントの一つです。
さらに、エンジン設計に関してはホンダの元F1チームメンバーが加わって開発されたという経緯もあります。
その他にも、
- トランスミッションには、エアウェイブ以来となる4WD向けの新開発無段変速機(CVTを採用
- VSA(車両挙動安定化制御システム)とヒルスタート・アシストシステムを軽自動車初の全車に標準装備も実現
等々、とにかく新しい世代の軽自動車にふさわしい充実した内容で注目を集めました。
当時、新しい軽自動車のデビューを感じさせられるこのCMをご覧になった方は多いのではないでしょうか?
N-BOXのプロモーションには、佐藤可士和氏が担当
N-BOXの「ネーミング」「ロゴ」、「CM」は、クリエイティブディレクター&グラフィックデザイナーの佐藤可士和氏が担当しました。
佐藤 可士和氏と言えば、
- ユニクロのロゴ
- 楽天のマーク
- Tポイントカード
- セブンイレブンのロゴ
等、一度はどこかで見たことのあるデザインを手掛けている方です。
N-BOXの成功は、佐藤可士和氏のイメージ戦略が大きく影響を与えたのは間違いありません。
想像を超える大ヒット。あのプリウスを超えた2016年
発売後、爆発的に人気が高まったN-BOXは、
- 2012年
- 2013年
- 2015年
- 2016年
と軽四輪車新車販売台数ではナンバー1の販売台数を記録を達成。
さらに2016年9月には、これまで国内自動車販売台数首位をキープしていたプリウスを抜かして、N-BOXが1位となったことが話題となりました。
これは昔、フィットが出てきてカローラを抜かした時の事を彷彿させられます。
しかも、発売から5年近く経ったモデル末期のN-BOXが、デビューしたばかりの新型のプリウスを抜かすというのは、相当な人気であることを証明したと言えます。
派生車も続々と誕生
N-BOXは、発売以来、派生モデルが次々と発売されています。
N-BOX+(プラス) 2012年7月5日デビュー
「N」シリーズの第2弾として2012年に発売されたN-BOX+。
N-BOXよりも、ラゲッジルームの床を低く抑えて、積載能力を高めた所がポイント。
車中泊できる程の広さを備え、遊びに出かける人などにとっては使いやすい内容となっています。
7万程度価格は高くなりますが、自分の用途によって+にするかノーマルにするかを判断されるのがおススメです。
車内をベッドスペースに変化出来る所は魅力です。
オプションのスロープ使えば、ミニバイクや車いすも載せられますし、大きな荷物を載せることが多い人は、こっちにした方が無難と言えます。
N-BOXスラッシュ 2014年12月22日デビュー
また、専用のサスペンション採用や、低重心化させていることにより、N-BOXとは違った独特の走りを楽しむことができます。
N-BOXよりもルーフが100mm低いため、デザインとしては、クーペっぽさも出ています。
スズキのハスラー対抗を感じさせられますが、オシャレでファッション性があります。
N-BOXの魅力とは!?
なぜここまでN-BOXが世間に受け入れられているのか。
それは、
- 圧倒的な室内空間の広さ
- 幅広いターゲット層に響くデザイン
- 決して手を抜かない元気な走行性能
これを軽自動車という形で再現できた所と言えるでしょう。
とにかく、一度乗れば、N-BOXの室内空間の広さが大いに実感することができます。
デザインに関しても、カッコいい車を求める男性ユーザーや、やんちゃなヤンキー層にも響くカスタムモデルが用意されてる所もポイントです。
安価なコンパクトカーや普通乗用車に乗るよりも、N-BOXの方が、税金が安い上、室内が広く、デザインの質感も劣っていないのですから、人気が出ないはずがないですよね。
「デザイン、走り、室内空間の広さ」、これら全てがバランスよく、人気のミニバンを買うよりもコスパが高そうに感じる
これこそが、N-BOXならではの大きな魅力だと思います。
いよいよ第2世代へフルモデルチェンジ
飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長し、今や軽自動車界の王者となったN-BOX。
それだけに、次期モデルへのプレッシャーは、相当なものと思われます。
そんなN-BOXは、2017年9月1日についに第2世代へとフルモデルチェンジを行います。
2代目N-BOXが初代に続いて王者の地位を守り続けることができるのか要注目です。