トヨタのプラグインハイブリッド車である新型プリウスPHVに関する最新情報を本記事では紹介します。
2017年に2代目へとフルモデルチェンジしたプリウスPHV。
新型プリウスPHVは、EV走行距離が68.2kmへと大幅に拡大され、世界初のソーラー充電システムも採用されるなど、日常範囲でのEV走行には困らない性能へと進化しています。
それゆえ、新型プリウスPHVは、新型SUVのC-HRと共に、グローバルで展開するトヨタ自動車の主要車として注力されています。
▷トヨタC-HRの最新情報! ヴェゼル対抗のプリウスSUVデビューへ
当記事では、フルモデルチェンジした新型プリウスPHVの最新情報を今回お伝えします。
この記事のポイント!
- 2019年の一部改良情報
- GR SPORT
- 先代の欠点を徹底的に克服
- 2代目プリウスPHVの注目ポイント
新型プリウスPHV 最新情報!モデルチェンジ情報を紹介
【新情報】2019年にマイナーチェンジで5人乗りモデルへ
プリウスPHVは、2019年にマイナーチェンジ(一部改良)が行われました。
内容としては、以下の改良が行われています。
- 乗員数が4人乗りから5人乗りへ変更
- クルマに蓄えた電気を住宅に供給する仕組みV2H(ブイツーエイチ)搭載
- パノラミックビューモニター(PVM)追加
- リヤクロストラフィックアラート(RCTA)
- 急速充電と大型ナビモニターをオプション化することによる低価格化
LTA等の第2世代トヨタセーフティセンスはおあずけ
LTA等の機能を採用した第2世代トヨタセーフティセンスの採用は、今回の一部改良では見送られました。
一部改良モデルの発売は2019年5月9日
一部改良されたプリウスPHVは2019年5月9日から発売されています。
2018年 サポカーS ワイド相当の特別仕様車発売
新型プリウスPHVは、特別仕様車となる「S“Safety Plus”」「S“ナビパッケージ・Safety Plus”」「A“Utility Plus”」を2018年1月8日に新発売。
先進安全装備を充実
2018年の特別仕様車では、先進安全機能「インテリジェントクリアランスソナー」が特別装備されました。
これによって、衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense P」とあわせて、セーフティ・サポートカーS(通称 : サポカーS)「ワイド」に相当することとなります。
各特別仕様車の特徴
S“Safety Plus”の特徴「S」グレードをベースに
- 駐車場等にてアクセルペダル踏み間違い時の衝突被害軽減に寄与する先進の安全機能「インテリジェントクリアランスソナー」
- スイッチを押すだけで駐車スペースを判断し駐車のアシストを行う「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」
- 外出先でも短時間で充電可能な急速充電インレット
- 後退時にバックカメラによる後方映像の画面表示を可能にするナビレディセット
を特別装備。
S“ナビパッケージ・Safety Plus”の特徴「S“ナビパッケージ”」グレードベースに
- 駐車場等にてアクセルペダル踏み間違い時の衝突被害軽減に寄与する先進の安全機能「インテリジェントクリアランスソナー」
- スイッチを押すだけで駐車スペースを判断し駐車のアシストを行う「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」
- アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、ヴィークルパワーコネクター付)
- ETC2.0ユニット
を特別装備。
A“Utility Plus”の特徴Aグレードをベースに
- アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、ヴィークルパワーコネクター付)
- ETC2.0ユニット
を特別装備。
また、上質な室内空間を創出するために、全ての特別仕様車のステアリングとシフトパネルがブラック加飾されています。
価格
プリウスPHV GR SPORTを新発売
プリウスPHVのスポーツカーモデルとなる「プリウスPHV GR SPORT」が2017年9月19日から発売開始されました。
プリウスPHV GRSPORT主要装備
- 専用チューニングサスペンション
- ブレース追加
- 専用タコメーター(GRロゴ付)
- シフトノブ(スモークブラック加飾)
- アルミペダル
- 小径ステアリングホイール
プリウスPHV 今後のマイナーチェンジを予想
プリウスPHVのマイナーチェンジでは、
- 第2世代トヨタセーフティセンス
- ブレーキホールド機能付き電動パーキングブレーキ
といった先進装備の拡充を予想。
ひとまず先にノーマルモデルのプリウスが2018年12月にマイナーチェンジ実施したものの、それらの装備は採用されていません。
今後、ノーマルモデルとPHVで機能の差別化がより行われるのかに注目です。
ここからは、新型プリウスPHVの詳細情報をお届けします。
新型プリウスPHVがプリウスシリーズの大本命になる理由
新型プリウスPHVに先駆けて、2015年12月に4代目へとフルモデルチェンジしたノーマルの新型プリウス。
<4代目となるノーマルの新型プリウス>
自販連が発表する「新車乗用車販売台数月別ランキング」の2016年上半期では、堂々の1位を獲得するなど、順調な売れ行きを見せています。
しかしながら、次世代の本命プリウスはその新型ノーマルプリウスではないのです。
そう、実は、プラグインハイブリッドモデルとなる新型プリウスPHVこそが、新型プリウスシリーズの大本命になる見通しなのです。
<新型プリウスPHV>
このデザインを見てもお分かりの通り、新型プリウスPHVはレクサスやクラウンを彷彿させる大型アクリルグリルが印象的でかなり気合いの入ったデザインとなっています。
もちろん賛否両論あるものの、「ノーマルプリウスよりもカッコいい」とか、「このデザインが新型のノーマルプリウスに採用してほしかった」という声が多く挙がるほどです。
では、なぜ今回新型プリウスPHVにここまで力を入れて開発されているのか。
それは、2018年から改正される米国カルフォルニア州のZEV規制が大きく影響しています。
ZEV規制について
このZEVとは、Zero Emission Vehicleの略であり、排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車を指します。
米国で自動車の最大市場であるカルフォルニア州では、州内で一定の台数以上の自動車を販売しているメーカーについては、その販売台数の一定比率をZEVにしなければならないと規制しています。
ただ、現状多くのメーカーにとって、電気自動車と燃料電池車だけにしてしまうと、その規制をクリアすることが厳しいことから、プラグインハイブリッドカー(PHEV)、ハイブリッドカー(HV)、天然ガス車等もZEVの定義として認められています。
しかしながら、2018年移行のモデルからハイブリッドカーはこのZEV定義から外れることとなる予定なのです。
つまりこれまで頼みの綱だったハイブリッドカーのプリウスは、このZEVの対象外となってしまうわけです。
カルフォルニア州は、アメリカで自動車最大市場ということもあって、販売から避けるわけにもいきません。
そこで、プリウスに代わって、ZEV対象となるプラグインハイブリッドカーのプリウスPHVに主役をバトンタッチする必要が出てきたというわけです。
あと、もう一つ、中国ではEV・PHV・燃料電池車(FCV)は新エネルギー車(新エネ車)とされていて、それらは中国政府による環境車支援策を受けられる対象となっている部分も関係しています。
つまり、世界でトップを占める市場の中国と米国での環境基準に適応するため、今後トヨタの主要車として発売しやすいプリウスPHVに力を入れる必要があったというわけです。
もはやハイブリッドというのは世界では環境対応車とは言えず、EVとPHVが環境対応車の主役になりつつあるのです。
これらの状況から、トヨタは次期プリウスPHVでは何があっても失敗できない状況であり、だからこそ、新型プリウスの大本命とされているのです。
先代の欠点を徹底的に克服した新型プリウスPHV
あまりパッとせず、その存在さえも知らない人は少なくない先代プリウスPHV。
フルモデルチェンジする新型プリウスPHVは、主役の座をノーマルプリウスから受け継ぐ為にも、先代の欠点を徹底的に克服しています。
では、その先代プリウスPHVの欠点とは何だったのでしょうか。
それを見ていきましょう。
1.デザインがノーマルプリウスとの違いがほとんどない
まず、デザイン面で先代のノーマルプリウスとプリウスPHVではほとんど違いがありませんでした。
<先代のノーマルプリウス>
<先代のプリウスPHV>
フロントバンパーやドアハンドルにメッキを加飾したり、内装の質感も向上させたりと、ところどころ差別化は図られているものの、パッと見ではほとんど違いが分かりません。
ノーマルプリウスよりも高い金額分、価格面を考えてもプレミアム感が足りないという状況でした。
それが、新型プリウスでは次のように大胆にデザインの差別化が図られています。
<ノーマルタイプの新型プリウス>
<新型プリウスPHV>
わざとプリウスPHVの方を買わせようとしているのではないかと思える程、新型プリウスPHVは迫力のあるカッコいいデザインとなっていると言えるのではないでしょうか。
これならば、ノーマルプリウスよりも高い金額を出して購入するだけの満足度は得られそうです。
2.EV走行距離が短く、集合住宅に住む人には不向きだった
先代プリウスPHVは、一度の充電で走れるEV走行の距離が26.4㎞と中途半端な距離だったことから、あまり魅力に思うユーザーが少ない状況でした。
また、マンションや集合住宅等に住む人にとっては、コンセントが設置できず、充電が困難で購入を見送らざるを得ない状況でもありました。
そこで新型プリウスPHVでは、先代モデルの倍以上のリチウムバッテリーを積みEV走行距離を約68.2kmに向上。
しかも、太陽光で発電した電力を駆動用バッテリーでも使う世界初のソーラー充電システムを採用しています。
さらにエンジンからの充電が可能となる「バッテリーチャージモード」も採用されており、これによって走行しながら同時に充電をすることが可能となり、これによって集合住宅に住んでいる人でも安心して乗ることができるようになりました。
また、AC100V・6A充電に対応するようになったので、一軒家でも充電を可能とするために専用の設置工事をしなくても大丈夫だという所もポイントです。
後、電力を消費しやすいエアコンについては、新たにヒートポンプオートエアコンを採用したことで、気温が低くてもヒートポンプだけで暖房性能が得られるようになったため、エアコンをつけてもエンジンがかかりにくくなりました。
ちなみに、HV走行燃費に関しは37.2km/Lとなっています。
こうした先代モデルの欠点とも言えるポイントを徹底的に改善した新型プリウスPHVには大きな期待がかかります。
モデルチェンジした新型プリウスPHVの注目ポイント!
では、次にモデルチェンジした新型プリウスPHVの「ここがスゴイ!」という注目ポイントを紹介します。
1.トヨタ最新の技術が盛り込まれている
新型プリウスPHVには、トヨタの新世代プラットフォームのTNGAプラットフォームと、最新の安全装備の「Toyota Safety Sense P」が搭載されています。
これらを同時に採用して発売するのは、ノーマルの新型プリウス、新型SUVのC-HRに次いで3番目となります。
「走りの楽しさ・乗り心地のよさ・静かさ」が追求されているTNGAを搭載したことで、先代モデルよりも飛躍的に安定した走行を楽しむことができるようになります。
また、「Toyota Safety Sense P」では歩行者を検知する自動ブレーキシステムが搭載されていることから、安全性が高まっており、また全車速対応のレーダークルーズコントロールも搭載されているので、高速道路の走行時には負担が少なくて済み、ドライバーの疲労軽減につながっています。
2.最先端の充電システムを採用
◯バッテリーチャージモード
走行しながら、バッテリーをエンジンで発電して充電することができる「バッテリーチャージモード」。
この機能のおかげで、走行さえできれば充電をすることが可能になるので、わざわざ充電のできる場所を探しに行く必要がなくなります。
◯ソーラー充電システム
走りながら充電できるバッテリーチャージモードも魅力ですが、それとは別に新型プリウスPHVにはルーフにパナソニック製の大型ソーラーパネル(ソーラールーフ)が装備されています。
これは世界初の装備であり、太陽光のあたる場所であれば、その太陽光を吸収して充電に充てることができます。
また走行中であれば、太陽光を活かして駆動用バッテリーの消費をおさえてEV走行できる距離を向上させたり、燃費向上に役立てることができます。
◯急速充電に対応
新型プリウスPHVでは、通常の充電に加えて、急速充電にも対応することとなりました。
三菱自動車のアウトランダーPHEVのように左に普通充電イントレット、右側に急速充電イントレットが装備されています。
充電器が公共の急速充電器に対応する急速充電機能があれば、なんと約20分で80%の充電をすることが可能となります。
通常充電をする場合、100V・6Aの場合は満充電をするに約14時間、200V・16Aの場合は満充電をするのに約2時間20分かかることを考えると、いかに急速充電が便利なのかが分かります。
3.デュアルモータードライブ
【出典:新型プリウスPHV公式サイト】
これまでトヨタのハイブリッドシステムに関しては発電用のみに利用されていたモーターですが、これを走行用にも使用可能とした、2つのモーターを活用する「デュアルモータードライブシステム」を新型プリウスPHVでは採用されています。
これによって環境負荷が低いEVモードでも力強い走りを実現することができるようになりました。
4.こだわったデザイン
新型プリウスPHVのデザインは、先程もお伝えしたように本家のノーマルプリウスと差別化するために、徹底的にこだわったデザインとなっています。
新型プリウスPHVのデザインコンセプトは 先進機能が人の記憶や直感でわかり、ひと目でその存在を認識できるエモーショナルでユニークなデザインを追求する「ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)」が実践されています。
レクサスのスピンドルグリルを彷彿させるブラックアウトされたフロントグリルが切れ長となった薄型4眼LEDランプ等特徴の専用のフロントマスクが与えられており、ノーマルプリウスよりもカッコよさが引き立っています。
サイドシルエットは、低重心を強調した水平基調の伸びやかなデザインで車格感を表現。
コンビランプがノーマルプリウスは縦長のデザインなのに対し、新型プリウスPHVでは横長のデザインとなっており、より次世代感を感じさせるデザインとなっています。
また、ハッチゲートのバックウインドウが空力性能にメリットをもたらすように設計されたCFRP製の「ダブルバブルバックドアウィンドウ」が採用されている所がポイントです。
<CFRP製のダブルバブルバックドアウィンドウ>
ちなみにノーマルプリウスに装備されているリアバイパーは、設定されていません。
〇新型プリウスPHVのボディサイズ
新型プリウスPHVのボディサイズについては、
- 全長4,645mm
- 全幅1,760mm
- 全高1,470mm
となっています。
参考に新型プリウスPHVと新型ノーマルプリウス、モデルチェンジ前のプリウスPHVのボディサイズと室内サイズの比較表を作成してみました。
新型プリウスPHV | 新型プリウス | 先代プリウスPHV | |
全長 | 4645mm | 4540mm | 4480mm |
全幅 | 1760mm | 1760mm | 1745mm |
全高 | 1470mm | 1470~1475mm | 1490mm |
ホイールベース | 2700mm | 2700mm | 2700mm |
室内長 | 2110mm | 2110mm | 1905mm |
室内幅 | 1490mm | 1490mm | 1470mm |
室内高 | 1195mm | 1195mm | 1225mm |
乗車定員 | 4人 | 5人 | 5人 |
新型プリウスPHVは、ノーマルプリウスよりも全長が105mm拡大されていることが分かります。
〇新型プリウスPHVのボディカラーは9色
新型プリウスPHVのボディカラーについては、9色という幅広いカラーバリエーションの設定がされています。
- スピリテッドアクアメタリック〈791〉
- エモーショナルレッド〈3T7〉
- サーモテクトライムグリーン〈6W7〉
- スティールブロンドメタリック〈4X1〉
- アティチュードブラックマイカ〈218〉
- グレーメタリック〈1G3〉
- シルバーメタリック〈1F7〉
- ホワイトパールクリスタルシャイン〈070〉
- スーパーホワイトII〈040〉
5.カーナビにはビッグサイズのモニターを採用
新型プリウスPHVのカーナビには、トヨタで初めてとなるフルHDの11.6インチ大型ディスプレイを採用したT-Connect SDナビゲーションシステムが採用されています。(一部グレードを除く)
タッチパネルでの操作が可能で、スマートフォンやiPadのようにスワイプやピンチイン/アウトで地図の拡大縮小ができスマホ感覚の直感的な操作ができるようになっています。
この大型モニターがあるだけで、次世代のクルマという感じがしますし、また、どこかテスラモーターの車を彷彿させられます。
ちなみにAグレードに関しては、ノーマルプリウスと同様のインパネが採用されます。
後席を2人がけとなっており、その中央に大型のコンソールを設けることで、ゆったりとくつろげるパーソナル感とプレミアム感を演出。
つまり新型プリウスPHVの乗員定数は4人となります。
6.ノーマルプリウス以上の静粛性と乗り味
新型プリウスPHVは、デザインの質感向上だけでなく、ノーマルプリウスよりも静粛性も向上しています。
また、ハンドリングの味付けやサスペンションのチューニングもされており、前後重量配分がノーマルプリウスの62:38から56:44になるなど、乗り味の向上も行われています。
7.ヒートポンプオートエアコン採用
新型プリウスPHVには量産車として世界初となる「ガスインジェクション機能付電動インバーターコンプレッサー」を搭載したヒートポンプ式の暖房機能付エアコンが採用されることになりました。
<ヒートポンプ暖房とは>
「ヒートポンプ」は、冷媒というガスを介して熱を取り込み、車内にその熱を放出して温めます。とても効率が良いので少ない電力で暖房できる一方、外気から熱を集めにくい寒冷時は、その効果は低減します。新型プリウスPHVでは、一度放熱した冷媒の一部を再びコンプレッサーに戻して暖房に役立てるガスインジェクション機能付電動インバーターコンプレッサーを開発。気温が低くても、ヒートポンプだけで暖房性能が得られるようになったことで、エンジンもかかりにくくなりました。
【出典:新型プリウスPHV公式サイト】
これまでは、エアコンをつけると電力を消費するのでEV距離が短くなってしまうという弱点がありましたが、これによって寒い時期にエアコンをつけてもEV走行距離への影響が少なく、冬のドライブを快適に楽しむことができるようになります。
また、少ない消費電力で即座に暖まるステアリングヒーターやシートヒーターに関しては、先代から引き続き採用されています。
8.スマホを活用できる「ポケットPHV」
新型プリウスPHVで11.6インチ T-Connect SDナビゲーションシステムを搭載しているグレードに関しては、T-Connect DCMパッケージというサービスが受けられるようになっています。
そのT-Connect DCMパッケージの中でも特徴的なのが「ポケットPHV」というスマホアプリ。
これは、スマホを利用して、「リモートエアコン」という機能でエアコンを操作したり、充電情報を受信したり、また、近くの充電ステーションを検索することが可能となっています。
新型プリウスPHVの価格について
新型プリウスPHVの販売価格については以下の通りとなります。
ハイブリッドシステム | 駆動 | 価格 (消費税込み) | |
---|---|---|---|
S | リダクション機構付のTHSⅡ Plug-in (2ZR-FXE 1.8L) | 2WD (FF) | 3,261,600円 |
“ナビパッケージ” | 3,666,600円 | ||
A | 3,807,000円 | ||
“レザーパッケージ” | 4,066,200円 | ||
Aプレミアム | 4,222,800円 |
これは、ノーマルプリウスのSグレードが2,479,091円~なのでそれと新型プリウスPHVのエントリーグレードのSグレードと比較すると、約78万円の差となります。
新型プリウスPHVにTRDとモデリスタ設定
新型プリウスPHVのドレスアップとして、TRDとモデリスタの設定もされています。
詳細はこちらのトヨタ公式ページにて。
新型プリウスPHV成功のカギはPHVの誤解を解けるかどうか
新型プリウスPHVは、ハイブリッド車からプラグインハイブリッド車へ主役の座のバトンタッチを目指して新世代プリウスの大本命として登場します。
新型プリウスPHVが大成功できるかどうかは「少し高いお金を払ってでもPHVがほしい」とユーザーに思ってもらえるかどうかが鍵となるでしょう。
PHVに関しては、
- PHVは充電できる場所がないと走れない
- 家に充電設備をつけなければならない
といったこれまでの印象を、いかにぬぐいさることができるかどうかが、トヨタの広報の力の見せ所となります。
走るだけでも充電ができ、家に充電設備がなくてもいい。また、街中で走行する程度ならば基本EV走行のみで走行し続けられる性能を持っている
これをCM等で、上手くアピールすることが必要不可欠でしょう。
新型プリウスPHVの価格はエントリーモデルのベースで300万以上し、グレードによっては、少し頑張ればレクサスのエントリーモデルのレクサスCTに手が届く金額です。
「だったら、頑張ってレクサスCT買うよ」とか、「そこまでお金を支払うなら普通のプリウスでいいよ」と言われてしまわないためにも、ターゲットとなるユーザーにいかに購入意欲をそそることができるのかどうかが重要です。
ノーマルプリウスとの徹底したデザインの差別化や最先端の機能搭載といったプレミア感は十分備えているので、あとは「PHVはこんなに便利」というメリットを上手く訴求できるかどうかが成功の可否をにぎると私は思います。
新型プリウスPHVが成功できれば、現在のハイブリッド車のように「ハイブリッドであれば売れやすい」というように、「PHVであれば売れやすい」と今後、多くの車種でPHV搭載の流れになるのは間違いありません。
PHV市場は2020年代から大きく伸び、2030年度にはトップに輝く!?
世界のマーケット情報のレポートを手掛ける富士経済が発表した「2016年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」では、2020年代にPHVがEVと共に大きく市場のシェアが拡大し、2030年代にはHVとEVを抜いてトップのシェアを獲得するとされています。
【出典:富士経済】
これについて富士経済は以下のように記載しています。
現状ではHVが先行しており、2025年頃まではHVが次世代自動車の中心になるとみられる。ただし、HVは一部の日本メーカーが注力するにとどまり、今後の市場の伸びは緩やかになると予想される。一方、PHVやEVは2025年以降市場の伸びが加速し、2030年頃にはHV、PHV、EVがほぼ拮抗するとみられる。2035年には北米や欧州、中国が需要の中心となりPHVやEVの市場が拡大し、PHVは665万台、EVは567万台が予想される。HVは日本や北米が需要の中心となり468万台が予想される。
<PHV市場の規模>
【出典:富士経済】
これによると、PHVの市場は2035年には2015年と比較すると約32倍の規模になることが分かります。
正直、価格的な部分や、この富士経済のデーターを踏まえても今回の新型プリウスPHVが主役の座をノーマルプリウスからバトンタッチを受けるのは難しいと思います。
実際にPHVがハイブリッド車にとって代わって完全な主役となるのは、早くても次のモデルチェンジ後の3代目プリウスPHVか4代目プリウスPHVになるのではないでしょうか。
その頃にはコストも抑えられ、現在のノーマルプリウス並の価格に抑えられるようになっているでしょうし、そこでようやく大衆車並みの売れ行きが見られると予想します。
しかしながらPHV普及の初めのきっかけが今回の新型プリウスPHVになる可能性は十分にあるため、PHV市場で天下を取るためにもトヨタは何が何でも今回失敗は許されません。
発売開始後にどこまで売り上げを伸ばして、PHVの存在感を強めることができるのかどうか今後の動向に要注目です。
日本国内でのライバルは、意外にも日産e-POWER搭載車か
新型プリウスPHVのライバルとしては、ゴルフGTEや三菱アウトランダーPHEVといったプラグインハイブリッド搭載車が存在します。
しかし、ここにきて私が強力なライバルとなるのが日産のe-POWER搭載車です。
<ノートe-POWER>
このe-POWERというシステムはプラグインハイブリッドではないものの、エンジンはモーター発電専用の役割となり、どの走行領域でもモーターだけで駆動する「走りながら充電できる電気自動車のまったく新しいカタチ」として2016年11月に発売された新型ノートから搭載されています。
e-POWERの「走りながら充電できるので充電設備の必要なくEV走行が楽しめる」という部分は、新型プリウスPHVが売りとしている部分と重複します。
もちろんe-POWERの場合は、外部充電はできず、ガソリンを消費してモーターを動かす仕組みなので、ガソリンが無くてもソーラー充電や走行時の充電のみでEV走行ができる新型プリウスPHVのシステムと同等に扱うのは酷な話です。
ですが、e-POWERを搭載した新型ノートはベース価格が約196万円とコストが抑えられており、そんなe-POWERは今後日産の多くの車種で採用されていく予定です。
今後、続々と発売されるe-POWER搭載車がプリウスPHVよりはるかに安ければ、「こっちでいいじゃん」と思うユーザーが出てくることも不思議ではありません。
後、いずれ日産がプリウス対向車種の発売の可能性があるという情報が一部で出てきています。
実際、日産がそのプリウス対抗車にe-POWERとプロパイロットシステムを搭載して200万円代後半で発売した場合、ノーマルプリウスどころかプリウスPHVにとっても驚異的な存在となるのは間違いありません。
一部仮定の話が入りましたが、そう考えると、日産のe-POWER搭載車は、新型プリウスPHVにとって強力なライバル関係になると想定します。
もしも、e-POWER搭載車の影響で新型プリウスPHVが苦戦するという状況になってしまった場合は、苦肉の策で値下げをするか、上級・高級車購入のターゲット層に向けて、プリウスPHVに乗っている人は「ステータスが高く、流行に乗れている人」といったより強いイメージ戦略を練らざるを得ないでしょう。
新型プリウスPHVのデザインは個人的にカッコいいと思いますし、魅力的な機能も多いので、ひっかかるとしたら価格の面しかないかと。
ノーマルプリウスのユーザーを引っ張ってくるという所だけでなく、300万~500万円代の車を購入するユーザーにいかに他の上級車ではなく、この車に振り向いてもらえるかという部分が最重要になるでしょうね。
期待の新型プリウスPHVの日本発売日
2016年3月に開催されたニューヨークオートショー2016でワールドプレミアされ、6月に行われた「スマートコミュニティJapan 2016」で日本初公開された新型プリウスPHV。
当初は、2016年秋に発売が予定されていましたが、その後年末に延期となり、2017年2月15日に発売となりました。
新型プリウスPHVに関する最新情報が入り次第、追ってお伝えします。