三菱自動車のクロスオーバーSUVのアウトランダーPHEVが2017年2月9日にマイナーチェンジ(一部改良)を実施して発売となりました。
これまで優れた性能であるプラグインハイブリッドが強みのアウトランダーPHEVですが、近年重要視されている安全装備については手薄の状態でした。
それが今回の改良では、安全装備が充実化し、その他装備の改善も含め、大幅な改良が行われました。
最上級グレード「S Edition」の追加も行われ、プラグインハイブリッド車としてライバル視される新型プリウスPHV(2月15日発売)を万全の態勢で迎え撃つことになります。
今回は、新型アウトランダーPHEVのマイナーチェンジに関する最新情報をお話します。
アウトランダーPHEV マイナーチェンジで安全装備が充実化!
今回のアウトランダーPHEVのマイナーチェンジで目玉となるのが安全装備の充実化です。
その内容として、まずは予防安全技術「e-Assist」が挙げられます。
予防安全技術「e-Assist」について
新型アウトランダーPHEVならではの、この先進予防安全技術「e-Assist」のポイントを解説します。
- 衝突被害軽減ブレーキシステム
いわゆる自動ブレーキなのですが、今回のポイントは単眼カメラ追加による歩行者検知に対応したという部分になります。
ここ1年で多くのメーカーが自動ブレーキに歩行者検知対応化を図っていますが、ついに三菱も歩行者認識対応の自動ブレーキを搭載させてきたという感じですね。
- レーダークルーズコントロールシステム(ACC)
もう一つ嬉しいのがこの全車速対応のレーダークルーズコントロールの搭載です。
遠出をして高速道路に乗る時は、これがあるのとないので大きくドライバーの負担が変わってきます。
特にポイントなのが、全車速に対応していると言う部分です。
これによって、速度設定をすれば、ほぼアクセルペダルを踏まずに済み、先行車が完全停止した場合も、こちらも自動で完全停止まで対応することが可能になります。
なんといって、今回の改良で「ブレーキホールド機能付きの電動パーキングブレーキ」が搭載されため、ブレーキオートホールドスイッチがONにしておくと停止状態を保持し続けることができます。
- 車線逸脱警報システム(LDW)
これは、車速60km/h以上で走行中に車線をはみ出そうになると、カメラが検知して警報で注意してくれる機能です。
どうせならば、警報だけではなく、自動でレーン内に車を戻してくれるレーンキープアシスト機能にしてほしかったですね。
すでにホンダやスバル、マツダに関しては、200万円代の車にも、レーンキープアシスト機能を搭載させているだけに、惜しい所です。
- 後側方車両検知警報システム(BSW)レーンチェンジアシスト機能(LCA)付
ドライバーから死角になりやすい車両の斜め後ろ方面に併走する車や、後方から走行して来る車両を検知して知らせてくれる機能です。
車線変更する時には重宝する機能です。
- 後退車両検知警報システム(RCTA)
駐車場等で後退して出る時に、近づいて来る車両を検知し、警告で注意してくれる機能です。
見通しの悪い駐車場では特に助かる機能と言えます。
- 誤発進抑制機能(UMS)
前進もしくはバックするときに、アクセルとブレーキを踏み間違えて急発進すること等を抑制する機能です。
- オートマチックハイビーム(AHB)
ロービームからハイビーム、ハイビームからロービームへの切り替えを自動的に行ってくれるシステム。
その他 マイナーチェンジでの変更点について
新型アウトランダーPHEVで、安全装備以外の改良部分について注目しておきたい内容は以下の通りとなります。
〇プラグインハイブリッドEVシステム
- 新モード「EVプライオリティモード」の追加
「EVプライオリティモード」を選択すると、可能な限りエンジンの始動を抑えて、EVモードにすることができます。
深夜や早朝に家から出る時や、地下の駐車場にいる時等で特に役立ちそうです。
- 充電機能の向上
充電時のアンペア数が50Aから60Aに変更したことで、約80%までの急速充電時間を約30分から約25分に短縮することに成功しています。
〇加速レスポンス等の向上
- ショックアブソーバーのバルブ構造見直しと減衰力の最適化により、操縦安定性と接地性を向上
- 旋回性能やハンドル操作に対するコントロール性が向上
〇電動パーキングブレーキの搭載
これまでパーキングブレーキは、センターコンソールにあるレバーを引く方式が採用されていましたが、今回の改良でオートホールド機能付きの電動パーキングブレーキが採用されることになりました。
C-HRやヴェゼル、新型CX-5等、最近の売れ筋のSUVには、電動パーキングブレーキが搭載されているため、アウトランダーもその流れに乗って搭載ということになります。
最上級グレード「S Edition」にはビルシュタイン採用
今回、新たに最上級グレードとなる「S Edition」がラインナップされることとなりました。
この「アウトランダーPHEV S Edition」は、ビルシュタイン社製の高性能ショックアブソーバーを採用しており、安定した操縦性と質感の高い乗り心地が得られるプレミアムでスポーティなグレードとなっています。
また、生産ラインからの車両抜きだしを行い、ボディリア周りを主に合計約4mかけて構造用接着剤の塗布がされるというかつてのランエボで行われていたような生産手法がされている所がポイント。
デザインとしても、ブラック塗装されたルーフレールがよりスポーティな演出が感じられます。
マイナーチェンジ後の価格について
アウトランダーPHEVのマイナーチェンジ後の価格については以下の通りとなります。
グレード | 駆動 方式 | 車両本体価格 (消費税込) | エコカー 減税 | クリーンエネルギー 自動車等導入促進対策費補助金 | |
取得税 | 重量税 | ||||
M | 4WD | 3,659,472円 | 免税 (100%減税) | 132,000円 |
トヨタ 新型プリウスPHVと本格勝負へ
2017年2月15日には、アウトランダーPHEVのライバルとも言えるトヨタから2代目となる新型プリウスPHVが発売されます。
▷トヨタ 新型プリウスPHVの最新情報!発売は2017年2月15日。新世代プリウスの大本命登場
新世代プリウスの大本命とも言われる程、トヨタ肝いりの内容として登場するだけあって、PHV普及に相当な期待がかかっている状況です。
プラグインハイブリッドカーとして優位だったアウトランダーPHEVが、新型プリウスPHV登場によって、どれだけ影響があるのか注目所したいですね。
新型プリウスPHVが発売されることで、世間にPHVが周知され、結果的にアウトランダーPHEVが今以上に需要が増えることも期待できます。
- プリウスPHVが4人乗りに対し、アウトランダーPHEVは5人乗り
- オフロードに強いSUV
等々、プリウスPHVとの差別化できる部分と、SUVならではのアピールをどうできるがカギになるでしょう。
2017年は、PHV本格普及元年となるのかどうか要注目ですね!
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