ダイハツ スマートアシスト3登場!タントのマイナーチェンジにて初搭載。2016年11月30日発売開始

スマートアシスト3

ダイハツのタントが2016年11月30日にマイナーチェンジしました。

今回の新型タントの大目玉となるのは、衝突回避支援システムのスマートアシストがバージョン3になるということ。

このスマートアシスト3は、自動ブレーキシステムが念願の歩行者検知対応になるといった特徴を持ちます。

各メーカーの安全装備が年々進化する中、ダイハツも負けじと新しい安全システムを、トップクラスの人気を誇るタントの改良というタイミングで導入します。

ダイハツ スマートアシスト3登場!タントのマイナーチェンジで搭載へ

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【新型タントからスマートアシスト3を搭載へ】

自動ブレーキに関しては、新型車ではもはや搭載されていて当たり前という状況になりつつまります。

しかしながら、各メーカーによってその性能は異なり、大きなポイントとしては歩行者検知対応の衝突回避機能があるかどうかでした。

この歩行者検知対応の自動ブレーキに関しては、スバルの「アイサイト」が国内で最も早い段階から実用化しており、その後、日産の「エマージェンシーブレーキ」や、スズキの「デュアルカメラブレーキサポート」等々、続々と歩行者検知対応の自動ブレーキが実用化されています。

特にこの約1年でその流れは急激に進み、ホンダは「ホンダセンシング」、トヨタはトヨタセーフティセンスの上級グレードの「トヨタセーフティセンスP」、そしてマツダもついに2016年から安全装備のi-ACTIVSENSEに歩行者検知対応の自動ブレーキシステム「アドバンストSCBS」を実用化させています。

そんな中、ダイハツの自動ブレーキシステム「スマートアシスト」は歩行者検知はするものの、あくまで警告をするだけで衝突回避までは対応していない状況でした。

その反面、ライバルのスズキの「デュアルカメラブレーキサポート」は、開発にアイ サイトと同じ日立オートモーティブシステムズが携わっているということもあり、約5km/h〜約30km/h未満であれば歩行者を検知して衝突回避することが可能となっており、高い評価を得てスズキの一つの売りになっているほど。

これまでは、軽自動車だから「簡易な自動ブレーキでもいい」というような風潮がありましたが、スズキのデュアルカメラブレーキサポートが登場し、そしてホンダに関しても2017年投入予定の次期NBOXを皮切りに今後軽自動車にホンダセンシングを搭載させていく見通しです。

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このことから、もはや軽自動車だから簡易な安全装備でいいと言える状況ではなく、近年高まっている自動運転をはじめとした先進安全機能に対するユーザー要求に答えられるかどうかが焦点となっています。

そこでダイハツは、2016年11月30日にマイナーチェンジをするタントで、歩行者を検知して衝突回避が可能となる新しい衝突回避支援システムの「スマートアシスト3」を搭載することとなりました。

スマートアシスト3の内容について

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すでにお伝えした通り、スマートアシスト3のポイントとしては、「歩行者対応の衝突回避支援ブレーキ機能」が搭載されるようになったことです。

その為に、世界最小となる左右カメラ間隔80mmのステレオカメラをフロントガラス上部に新装備。

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ステレオカメラと言えば、スバルのアイサイトとスズキのデュアルカメラブレーキサポートに携わっている日立オートモーティブシステムズ製が思い浮かびますが、スマートアシスト3のステレオカメラには、これまでスマートアシストに関わってきた経緯もあり、デンソー製が採用。

対歩行者に対しては約4~50km/hの場合に衝突回避支援ブレーキが反応するようになっています。

<ダイハツ公式動画>

スマートアシスト2から進化した部分

スマートアシスト2から進化した部分は、単に自動ブレーキが歩行者に対応しただけではありません。

進化した内容は以下の通りとなります。

・対車両に対して、これまでの約4~50km/hから約4~80km/hへと30km/h反応のできる速度が向上

  • 衝突回避の相対速度が約4~20km/hから約4~30km/hへ向上
  • 被害軽減ブレーキアシスト機能追加

→車両が衝突危険を認識した際、運転者のブレーキの踏み込みがあった場合には、強力なブレーキアシストを作動することで衝突回避、もしくは被害軽減を実現する仕組み。

<各機能の詳細>

  • ダイハツ初となる「オートハイビーム」を搭載

→自車速度約25km/h以上の時に、対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えできるようになります。

その他の、これまでスマートアシスト2で採用されていた

  • 車線逸脱警報機能(約60km/h以上で走行中に作動)
  • 誤発進抑制制御機能(約10km/h以下で障害物を認識後、文間違いを判定してエンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示で警告)
  • 先行車発進お知らせ機能

の機能については引き続き採用されています。

ちなみにスマートアシスト3の機能については、OFFスイッチでOFFにすることが可能になっています。

新型タントのマイナーチェンジの内容

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【画像は新型タントカスタム】

今回のタントのマイナーチェンジの内容は以下の通りとなります。

  • スマートアシスト3の搭載

→G“SA Ⅲ”、Xターボ“SA Ⅲ”、X“ホワイトアクセントSA Ⅲ”、X“SA Ⅲ”、L“SA Ⅲ”グレードに標準装備

  • パワースライドドアに予約ロック機能を追加
  • D assist切替ステアリングスイッチを全車標準装備

→パワーモードとエコモードの2つの走行モードをワンタッチで選択可能に。

  • スマートアシスト3搭載グレードのリヤ2箇所に「コーナーセンサー」をに標準装備

→2箇所のソナーセンサーを設置することで、死角となる左右後方の障害物を検知し、ブザー音で運転手に警告してくれる

  • 運転席シートヒーター、リヤヒーターダクトを標準装備
  • チルトステアリング、運転席シートリフターを標準装備
  • タント、タント カスタムのカラーバリエーションを一部変更
  • 14インチアルミホイールの意匠変更
  • 「簡単脱着&洗えるシートクロス」をディーラーオプションに設定

販売価格については、これまで通りの据え置きとなり、タントが122万400円~165万7800円、タントカスタムが152万8200円~187万3800円(消費税込)となっています。

安全装備が大幅に向上したにもかかわらず、価格据え置きというのは大きなポイントです。

また、デザインについては特に変更はありません。

今回、スマートアシスト3の初搭載車がタントに選ばれたのは、やはりタントがダイハツの代表的な主力車という点が大きなポイントでしょう。

タントといえば、一般社団法人 全国軽自動車協会連合会が発表した2016年度上半期の軽四輪車通称名別新車販売台数では70119台とホンダのNBOXの85503台に次ぐ第2位となる程の売れ筋車となります。

そんなダイハツでトップクラスの人気を誇るタントから新しい安全装備を搭載していくというのは、自然と言えます。

進化した安全装備のスマートアシスト3の搭載で、最大のライバルのホンダN-BOXにどこまで差を縮めることができるのか注目です。

どうせならスマートアシスト3をトールから搭載するのも有りだったのでは?

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ただ、このタイミングでスマートアシスト3を投入するのであれば、先日発売したばかりの「トール」から搭載してほしかったと思うのは私だけでしょうか?

トールは、スズキのソリオ対抗車として、トヨタでは「ルーミー」「タンク」として、スバルでは「ジャスティ」として発売されており、いずれの車種もダイハツのOEM車ということから安全装備には「スマートアシスト2」が搭載されています。

トヨタ「ルーミー・タンク」、ダイハツ「トール」を新発売!

ソリオの安全装備には「デュアルカメラブレーキサポート」が装備されているだけに、打倒ソリオを目指して発売するからには、トールには「スマートアシスト3」を装備して対抗すべきだったのでは?と思えてなりません。

子供のいるファミリーユーザーの多くがターゲットとなる車なだけに、歩行者検知対応の自動ブレーキの有無は、販売戦略を抜きにしても大切な部分だと思います。

世界最小ステレオカメラを開発したことで、今後、ダイハツの新車には随時スマートアシスト3が採用されていくことになるのはほぼ確実です。

そして何よりも、親会社のトヨタもこの状況に影響されるのは必須と思われます。

トヨタは、トヨタセーフティセンスの下位グレードのトヨタセーフティセンスCには、上級グレードのトヨタセーフティセンスPと違って、自動ブレーキが歩行者検知に対応していません。

しかしながら、ダイハツのスマートアシストが歩行者検知に対応したことから、トヨタセーフティセンスCも歩行者検知対応に向かうのは時間の問題でしょう。

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実は、2015年7月に日本経済新聞がトヨタが後々、トヨタセーフティセンスCが歩行者検知できるようにバージョンアップを検討している旨を報じています。

トヨタ自動車は、汎用型の自動ブレーキシステム「Safety Sense C」のセンサーで検知できる対象物として、歩行者を追加する検討を始めた。現在は先行車だけだが、歩行者も検知できるようにすることで、衝突回避できる対象物を段階的に増やしていく。

~中略~

一度実用化したセンサーは、自動車アセスメントの基準強化に応じて変更するのは難しい。そこで、トヨタは自動ブレーキ用のカメラのハードウエアに変更を加えることなく、ソフトウエアのアップグレードで、カメラで検知できる障害物の種類を増やしていく計画。対象となる障害物は、歩行者のほかに自転車なども検討中である。

【出典:日本経済新聞

子会社のダイハツの自動ブレーキシステムが歩行者検知に対応したことで、トヨタとしては、この日経の報道のようにトヨタセーフティセンスCのアップグレードを行うのかどうか今後の動向に注目したいと思います。

この点について新しい情報が入れば、またお伝えします。

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