スズキのハッチバック型コンパクトカーのスイフトのフルモデルチェンジが2016年12月27日に発表され、その新型スイフトの発売日が2017年1月4日であること判明しました。
これまで新型スイフトに関しては2016年の秋に発売されると見られていましたが、2016年5月に発覚したスズキの燃費測定に関する不正で、既存の車種の走行抵抗値を検証する作業を優先させるため、当初のスケジュールよりもズレ込んでいます。
<スズキ、新型スイフト・ワゴンRの発売時期を延期−燃費測定不正で開発に遅れ>
スズキが年内の投入を予定していた新型「スイフト」と「ワゴンR」の発売時期を、延期することが明らかになった。
スイフトは2017年2月、ワゴンRも来春以降にずれ込む見込み。燃費の測定不正の影響で開発が滞り、国交省の審査も厳しくなることが予想されるため。
両車種はいずれも小型車と軽自動車の主力車種。16年度の国内生産、販売への影響は避けられない見通しだ。
スイフトはスズキの小型車の主力車種で、国内のほか欧州やインドでも人気の高い世界戦略車。国内では10月頃の全面改良を計画していた。一方、ワゴンRは低迷する軽自動車販売の起爆剤として秋の全面改良を目指していた。
しかし、5月に燃費測定方法の不正が発覚。技術部門は燃費の再測定や国交省への説明対応に追われることになり一時期、開発が滞った。
【日刊工業新聞より】
ただ、新型スイフトに関しては、テスト走行中の画像やハイブリッドに関する情報などが入ってきており、これまで順調に開発が進んでいることも覗えていました。
ようやくスイフトのフルモデルチェンジが実施されるわけですが今回は、新型スイフトに関する情報をお話します。
【追記】
スイフトスポーツのフルモデルチェンジ情報を本記事後半にて追加
スズキ スイフトが新型へフルモデルチェンジ!発売日は2017年1月4日
冒頭でお話ししたように新型スイフトのフルモデルチェンジは、2016年12月27日に発表され、発売日が2017年1月4日となります。
これによって、新型スイフトは2017年の初売りの目玉商品として販売されることとなります。
今回のフルモデルチェンジでスイフトは4代目になります。
2000年に初代スイフトがデビューしてから4代目登場まで約17年が経つことになりますが、コンパクトでスポーティなボディに加え、安定感と高い走行性能を誇るとあって、今やスズキの看板と言っても過言ではない程の車に成長しています。
現行型の3代目スイフトに関しては、
- 2011年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞
- 2016年には、 同年4月上旬の時点で世界累計販売台数500万台を達成
といった偉業を達成しています。
<3代目スイフト>
そんなスイフトの次期モデルとなる4代目スイフトは、どのような新型車となるのか見ていきましょう。
新型スイフトの情報を振り返る
新型スイフトのデザインの画像はこちらになります。
今回の発表まで新型スイフトのデザインがどのようなものとなるのか注目が集まっており、これまで実際にテスト走行している新型スイフトの画像が続々と流出していました。
新型スイフトと見られていた画像を今見ると、発表されたデザインとほぼ一致することが分かります。
以前、新型スイフトになると噂されていたバレーノのデザインを見たときは、「バレーノで十分だよな」と思いましたが、バレーノとは異なった新世代のデザインですが、どこかマツダのデミオっぽさを感じるのは私だけではないはず。
ただ、スイフトは、スズキの看板車種ということだけあって、バレーノよりも力が入っていることが伺えるのではないでしょうか。
そういえば、昨年はバレーノが日本ではスイフトになるという噂が広まっていましたよね。
せっかくなので、少しだけそのバレーノ=スイフト説について少し振り返って見ました↓
懐かしのバレーノ=新型スイフト説
今思えばほほえましい話ですが、2015年には、ジュネーブモーターショー2015で公開されたコンセプトカーの「iK-2」が新型スイフトのコンセプトカーと噂となったことがありました。
<iK-2>
実際このiK-2に関しては、バレーノという新型車のコンセプトカーということが判明したのですが、このバレーノの日本名のモデルが新型スイフトとも思われていた程です。
<バレーノ>
結局、日本でもバレーノとして発売され、新型スイフトは別に存在することが明らかになりました。
フルモデルチェンジした新型スイフトのデザインをチェック!
ここでフルモデルチェンジした新型スイフトのデザインをモデルチェンジ前のデザインと比べて見ていきましょう。
<新型スイフト>
<モデルチェンジ前のスイフト>
<新型スイフトのリア>
<モデルチェンジ前のスイフトのリア>
Aピラーがブラックアウト化されているというのはそのままに、新型で大きく目立つのはフロントグリルの形。
トヨタのアンダープライオリティを彷彿させる今風のデザインと言えます。
そんな新型スイフトのボディカラーは以下の9色となります。
- バーニングレッドパールメタリック
- スピーディーブルーメタリック
- クラッシーブラウンメタリック
- スーパーブラックパール
- スターシルバーメタリック
- ネオンブルーメタリック
- ピュアホワイトパール
- ヘリオスゴールドメタリック
- プレミアムシルバーメタリック
新型スイフトのインテリアについて
フルモデルチェンジ後の新型スイフトのインテリア画像はこちらになります。
新型スイフトのプラットフォームに新設計の「HEARTECT(ハーテクト)」採用
新型スイフトに採用されるプラットフォームは、スズキが新開発したプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されます。
この新型プラットフォームの特徴は、マイルドハイブリッドや大幅な軽量化と高剛性を実現させる所にあって、スイフトの従来モデル比で120kgの軽量化を実現させています。
この新型プラットフォームを搭載した新型スイフトの車重は、全グレード1トンを下回り、グレードによっては800kg台を実現しています。
新型スイフトのボディサイズは先代からほぼ据え置き
フルモデルチェンジ後の新型スイフトのボディサイズは、
- 全長3840mm
- 全幅1695mm
- 全高1500~1525mm
となっており、モデルチェンジ前の全長3850mm、全幅1695mm、全高1500~1535mmから全長が10mm短くなったくらいでほぼ据え置きサイズとなっています。
新型スイフトにはハイブリッド搭載へ!ただしマイルドハイブリッドではあるが
新型スイフトに搭載されるハイブリッドシステムについては、新型ソリオのストロングハイブリッドモデルが2016年11月に発売されたということもあり、ストロングハイブリッドシステムの搭載の可能性が取りざたされていましたが、実際にはマイルドハイブリッドシステムが採用されることとなりました。
ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせた独自のマイルドハイブリッドシステムを設定し、2WD車では27.4km/Lの低燃費を実現させています。
また、減速時のエネルギー回生やアイドリングストップ後のエンジン再始動をISGが行ない、無駄な燃料消費を抑制すると共に、さらに最長30秒間のモーターアシストによってエンジンの負担を軽減し、さらなる燃費向上を実現指せている所もポイントとなります。
ソリオが発売後にフルハイブリッドモデルが出たように、今後スイフトにもフルハイブリッド仕様が登場するのかにも注目したい所です。
新型スイフトの安全装備には新システム「デュアルセンサーブレーキサポート」採用
現在のスズキの安全装備としては、
- ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポートII」
- デュアルカメラを採用した衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」
の2つのシステムが存在します。
しかしながら、新型スイフトの安全装備には、悪天候や逆光の影響を受けにくい特徴を持つ新たに開発された単眼カメラ方式とレーザーレーダーを組み合わせた新しい衝突被害軽減システムの「デュアルセンサーブレーキサポート」が採用されます。
この「デュアルセンサーブレーキサポート」は、フロントガラスに設置した単眼カメラとレーザーレーダーの2種類のセンサーで前方を検知するシステムを採用。
自動ブレーキは歩行者検知にも対応しており、約5km/h〜約50km/h未満(歩行者の場合は約5km/h~約30km/h未満)であれば、ブザー音で警告したり、自動ブレーキシステム作動によって衝突を回避するためのサポートが行われます※
※周囲の環境や対象物の動きなどによっては、警報のみでブレーキが作動しない場合がある
その他の機能としては、
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト機能
といった機能があり、その他の安全装備を含めたセーフティパッケージとして9万1800円からオプション設定されています。
デュアルカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート(DCBS)」では、高い精度に加えて、自動ブレーキの歩行者検知に対応するなどスズキの安全装備に関しては、非常に評価が高いですが、今回新しく開発された単眼カメラ+レーザーレーダー方式にはより注目が集まります。
スズキの安全装備に関しては、てっきりスバルのアイサイトと同じくデュアルカメラ方式で今後展開していくのかと思いきや、ここにきて歩行者検知にも対応した単眼カメラ+レーザーレーダーという新しい方式を持ってきたことは大きな驚きです。
ここで気になるのは、このシステムがどこ製なのかということ。
これまでスズキのデュアルブレーキカメラサポートには、スバルのアイサイトと同じく、日立オートモティブシステムズ製が採用されてきました。
では、今回はというと可能性があるのが東芝です。
東芝は、2016年6月に自動ブレーキシステムに使えて、画像をカラー認識のできる新型のカメラを発表しています。
当社は、単眼カメラで撮影した1枚の画像から、カラー画像と距離画像を同時に取得できる撮像技術を開発しました。レンズの工夫と画像処理を組み合わせることで、ステレオカメラ並みの高精度な距離検出を実現しました。
【出典:東芝のニュースリリース】
このシステムが採用されている可能性は十分あり得るのではないかと私は思います。
追従機能付きクルーズコントロールもあり
そして自動ブレーキだけでなく今回新型スイフトには、追従機能付きクルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロールACC)といった快適機能も搭載されることになった所も大きなポイントです。
このACCは、残念ながら全車速対応ではなく、約40km/h~約100km/h内での作動となるのですが、今後マイナーチェンジで全車速に対応することを期待したいですね。
新型スイフトのエンジンスペック
新型スイフトのエンジンスペックと各燃費性能は以下の通りとなります。
◯直列3気筒1.0L直噴ターボ「ブースタージェット(BOOSTERJET)」※スイフトRS専用
- 型式 K10C型
- 弁機構 DOHC12バルブVVT
- 最高出力(kW/rpm)75(102PS)/5500
- 最大トルク(N・m/rpm) 150(5.3kg・m)/1700-4500
- 燃費性能 JC08モード燃費20.0km/L
◯直列4気筒 1.2Lデュアルジェット自然吸気直噴エンジン
- 型式 K12C型
- 弁機構 DOHC16バルブ吸排気VVT
- 最高出力(kW/rpm)67(91PS)/6000
- 最大トルク(N・m/rpm) 118(12.0kg・m)/4400
◯ハイブリッドモデルのモータースペック
- 型式 WA05A
- 最高出力(kW/rpm)2.3(3.1PS)/1000
- 最大トルク(N・m/rpm) 50(5.1kg・m)/100
- 動力用主電池の種類 リチウムイオン電池
新型スイフトの価格・グレード&燃費性能
新型スイフトの価格と燃費性能を含めたグレード体系は以下の通りとなります。
機種名 | エンジン | 駆動 | 変速機 | 燃料消費率 JC08モード走行 (km/L) | 価格(円) |
---|---|---|---|---|---|
XG | 1.2L DOHC 吸排気VVT | 2WD | 5MT | 23.4 | 1,343,520 |
CVT | 24.0 | 1,343,520 | |||
4WD | 22.8 | 1,497,960 | |||
XL | 2WD | 5MT | 22.6 | 1,463,400 | |
CVT | 24.0 | 1,463,400 | |||
4WD | 22.8 | 1,617,840 | |||
HYBRID ML | 1.2L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) | 2WD | 27.4 | 1,625,400 | |
4WD | 25.4 | 1,779,840 | |||
RS | 1.2L DOHC 吸排気VVT | 2WD | 5MT | 22.6 | 1,594,080 |
HYBRID RS | 1.2L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) | 2WD | CVT | 27.4 | 1,691,280 |
4WD | 25.4 | 1,845,720 | |||
RSt | 1.0L DOHC 吸気VVT 直噴ターボ | 2WD | 6AT | 20.0 | 1,704,240 |
新型スイフトスポーツの発売は2017年9月20日
フルモデルチェンジした新型スイフトスポーツの発売日は2017年9月20日と決定しました。
新型スイフトスポーツの外観デザイン
新型スイフトスポーツの外観(エクステリア)デザインは、ノーマルモデルよりもフロントグリルが拡大されており、それにともなって左右のダクト部分が分離される形となっています。
特に印象的なのがフロントグリルのデザインで、まるでレクサスのスピンドルグリルのようで、新世代のデザインということを感じさせられます。
スイフトスポーツはスズキの屋台骨と言える程重要なスイフトのシリーズ車種なので、新型スイフトスポーツは、バレーノを凌駕する、よりダイナミックでスポーティなデザインになったと言えそうです。
新型スイフトスポーツの内装デザイン
新型スイフトスポーツの内装(インテリア)デザインに関しては、
- 専用フロントシート[Sportロゴ入り]
- 専用ドアアームレストオーナメント、インパネオーナメント、コンソールオーナメント
- 専用メーター
等のスイフトスポーツ専用装備が採用されています。
新型スイフトスポーツには1.4Lダウンサイジングターボ搭載
フルモデルチェンジ前のスイフトスポーツには、1.6L直4NAエンジンが搭載されていますが、新型スイフトスポーツに関しては、直列4気筒DOHC 1.4リッター直噴ターボエンジンの「K14C型ブースタージェットエンジン」が搭載されます。
この新開発1.4L直噴ターボガソリンエンジンに関しては、上海モーターショー2015で発表されました。
新開発1.4L直噴ターボガソリンエンジン「 BOOSTERJETブースタージェット 」
直噴化による燃費性能向上と過給機による、出力及びトルク向上を実現した新開発1.4Lの直噴ターボガソリンエンジン「BOOSTERJET」を上海モーターショーにおいて世界初公開した。
「BOOSTERJET」は、燃費性能と動力性能に加え、ボディサイズや重量に対する高い要求を満たすためエンジン各部のレイアウトの最適化を行い、軽量化技術を駆使した、新開発のコンパクトで軽量な直噴ターボエンジンである。
スズキはこの「BOOSTERJET」の搭載モデルを中国市場より発売開始し、その後世界へも展開していく。
【出典:スズキ(ニュースリリース)】
この1.4L直噴ターボ 1.4BOOSTERJETは、2017年7月26日に発売されたエスクードの1.4Lターボモデルにも搭載されていますが、新型スイフトスポーツにはそれをさらにチューニングされたものが採用されることになります。
〇K14C型ブースタージェットエンジン
・最高出力:103kW(140PS)/5500rpm
・最大トルク:230Nm(23.4kgm)/2500-3500rpm
また、新型スイフトスポーツのトランスミッションに関しては、
- 6速AT
- 6速MT
の2つのバリエーションが用意されています。
その他、新型スイフトスポーツのパワートレインについては公式に以下の内容が発表されています。
パワートレイン
- 低回転から高トルクを発揮する1.4L直噴ターボのK14C型ブースタージェット エンジンを搭載。1.4Lの小排気量ながら、103kW/5,500rpmの最高出力、230N・m/2,500‐3,500rpmの最大トルクで2.2L自然吸気エンジン相当の力強さを発揮する。
- 点火制御とターボ過給圧制御を専用チューニング。排気ガスの流入量を調節するウエストゲートバルブの開閉を、過給がかかりやすく反応に優れたノーマルクローズ制御とした。アクセル操作に対する反応を高め、過給応答性を向上。幅広い回転域で鋭い加速を実現した。
- スポーティーなエキゾーストサウンドにチューニングを施した排気系をはじめ、吸気系、冷却系、懸架系を専用設計。走行性能の向上に加えスポーツを体感できる演出にこだわった。
- 高トルクなエンジンの持ち味をより引き出すために、2~5速をクロスレシオ化した先代スイフトスポーツと同じギヤ比の6速マニュアルトランスミッションを採用。トルクアップがそのまま駆動力に伝わる、走りに特化した設定とした。
- 最適なギヤ比を設定し、鋭い加速が得られる6ATを採用。
- 高効率なパワートレインや優れた空力性能などにより、6MT車は16.4km/L、6AT車は16.2km/Lの燃費性能を達成。
【出典:スズキ(ニュースリリース)】
新型スイフトスポーツのボディサイズは3ナンバー化へ
新型スイフトスポーツは、今回のフルモデルチェンジによって国内スイフトスポーツとして初のボディサイズが3ナンバー化されることになります。
・全長3890mm
・全幅1735mm
・全高1500mm
スズキ初 車線逸脱抑制機能を搭載
新型スイフトスポーツに関しては、先進安全装備として衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」が採用されますが、注目ポイントは、スズキ初となる「車線逸脱抑制機能」が採用されるという所。
この「車線逸脱抑制機能」は、車線を逸脱しそうになった時に、ドライバーのステアリング操作を支援するシステムであり、スイフトのノーマルモデルには搭載されなかったスイフトスポーツならではの新機能となります。
新型スイフトスポーツの価格
フルモデルチェンジ後の新型スイフトスポーツの販売価格は以下の通りとなります。
2016年後半から新型のライバル車も続々と登場
2016年後半からは、スイフトのライバルとなる新車が続々と発売されます。
マツダからは、マイナーチェンジされたデミオが。
日産からは2016年11月にマイナーチェンジでシリーズ・ハイブリッドシステムを搭載した新型ノートe-POWERが出ています。
ホンダに関してはフィットのビッグマイナーチェンジが2017年行われるとあって、まさに2017年はコンパクトカー市場がかなり激アツになることが確実です。
新型スイフトに関しては、「スポーティ」というポイントをいかに魅力的にアピールできるかどうかが重要になるでしょう。スズキにとっても屋台骨であるスイフトをさらに飛躍させたいはずです。
新型スイフトのフルモデルチェンジに関する新たな情報が入れば、またお伝えします。
【スズキ関連情報】